耐震性能

耐震性を気にするなら覚えておきたい!許容応力度計算について。

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許容応力度計算という言葉を耳にされたことはありますか?もしこれから家を作る方で、「耐震性」を気にするのであれば必ず覚えておいた方がよいワードです。

簡単に言うのであれば「許容応力度計算=構造計算」と思っていただいて大丈夫です。「構造計算」という言葉であれば、何となく耳にしたことがある方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。

構造計算とは「建物の構造安全性を科学的に検証し確認するための計算」のことを言います。

木造住宅の家は地震に弱い?

なんとなく皆さまの潜在意識の中で、「木造住宅=地震に弱い」というイメージがあるのではないでしょうか?実は木造住宅が地震に弱いのではなく、日本に建っている約8割の木造住宅が先ほど述べた許容応力度計算(構造計算)を行っていないのです。

そのため2016年に起きた熊本地震では、日本の観測史上初の同地震において震度7が来たことにより、2000年以降の新耐震基準に変わった家でも被害を受け、また長期優良住宅の認定を取っている住宅でも倒れてしまうという事態が起きました。被害を受けた建物は許容応力度計算がされておらず、もし許容応力度計算をしていたら結果は変わっていたかもしれません。

え、なんで許容応力度計算(構造計算)してくれないの?って感じですよね

実は木造の2階建てまでであれば、許容応力度計算が不要となっています。許容応力度計算をすることによって、追加で費用がかかったり、余計な手間がかかったりするので、工務店やメーカーの方針によっては、木造2階建てまでの場合は許容応力度計算は行わない会社もありますし、それが違法ということも全くないのです。

そのため被害を受ける建物は圧倒的に許容応力度計算をしていない木造2階建てが大半を占めることとなり、「木造住宅=地震に弱い」というイメージが皆さまの中に出来てしまっているのです。

木造の構造安全性を図る計算方法は3つある!

木造の構造安全性を図る計算方法は3つあります。それぞれどのようなものか抑えておきましょう。

①壁量計算

建築基準法で定められており、最も一般的で多くの工務店やメーカーが採用している計算方法です。壁の量だけで、地震や台風などの水平力によって建物が倒れないかを検証する簡易的な計算方法となります。計算は求められますが、建築確認申請の際に計算結果を提出しなくても問題はありません。計算結果書はA3の用紙1枚程度で、費用は無料となります。
※ 建築基準法では木造2階建て以下かつ500㎡以下は壁量計算のみでOKとされています。

家を建てるための一番最低限の計算方法となります。

②性能表示計算

品確法で規定されている計算方法となります。耐震等級2もしくは3を取得するために、壁量計算にプラスして床・屋根倍率の確認と床倍率に応じた横架材接合部の倍率も検討する計算方法となります。この計算方法を用いると、耐震等級2以上は保証されます。費用は10万程度です。

長期優良住宅を建てる際に耐震等級2以上が必要なため、多くの長期優良住宅やハウスメーカーはこの計算方法を用いていると言われています。

③許容応力度計算

許容力度計算とは、地震や台風時に建物にかかる水平力の検証に加え、建物の自重や荷重の鉛直力に対して、柱の1本・梁の1本・基礎などすべての部材にかかる力を計算して、建物の安全性を確かめていく計算方法となります。費用は約20万かかり、許容応力度計算の計算結果書はA4数百枚にも及びます。

かなり複雑な計算方法となり時間もかかるため、木造2階建以下の場合は省略されることが多いです。

許容応力度計算はどのぐらい強いのか

上記でもお伝えしたように、性能表示計算でも耐震等級3や長期優良住宅は取得することが可能です。では許容応力度計算をやらずに性能表示計算であれば安心かというとそうではありません。

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新耐震基準とは – 一般社団法人耐震住宅100%実行委員会 (taishin100.or.jp))より

こちらは「一般社団法人 耐震住宅100%実行委員会」様が熊本地震と同等の地震波によるシミュレーションを行った結果となります。性能表示計算で取得した耐震等級3は、許容応力度計算(構造計算)を用いて取得した耐震等級2よりも弱いことがわかります。またシミュレーション結果では、許容応力度計算を用いて取得した耐震等級3の住宅以外は倒壊する結果となっています。

耐震等級に関してはこちらの記事をご覧ください。

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まとめ

これから住宅を建てて頂くのであれば、多少時間と費用がかかっても、許容応力度計算は行っていただくことをおススメします。どんなに間取りやインテリアにお金や時間をかけてこだわっても、地震で倒壊していまえば一瞬で全て無くなってしまいます。また家族の安全や命を守るという面でも、やはり耐震性能はこだわっておきたいポイントです。

住宅営業マンがそれっぽく話してしまうと、壁量計算しかしていない住宅でも、なんだか強そうに思えてしまうんですよね。皆様が正しい知識を持って、国の水準ギリギリの家ではなく、本当に安心・安全な家を建てて頂けることを願っています。

地震が起こってから後悔・・・なんてことがないようにどこまでの耐震性を求めるか、しっかり考えていきましょう。

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